ブログ
若年女性痩せ型肥満者の増加
こんにちは、トレーナーの上村です。
本日は最近の論文でも公開されました「若年女性の肥満者増加」について解説していきたいと思います。
痩せているのに肥満者と同じ
先日、順天堂大学大学院医学研究科から発表された論文が非常に興味深い内容でした。具体的な内容としては
「食後高血糖となる耐糖能異常が痩せた若年女性に多いことが明らかに」
詳しくは上記リンクを読んでいただければ良いのですが、簡単にまとめますと
・日本人の痩せた若年女性は標準体重者に比べて糖の代謝が下がっていた
・痩せた若年女性の多くは食事量が少なく、運動量も少ないという「エネルギー低回転タイプ」となっており、骨格筋量も減少していた
・痩せた若年女性の代謝異常の原因として、主に肥満者に生じると考えられてきたインスリン抵抗性や脂肪組織の異常となる「代謝的肥満」が関与する可能性を世界で初めて明らかにした
(一部抜粋)
ということになります。
※https://med.juntendo.ac.jp/news/20210216-01.htmlより
この論文の中では、18~29歳のBMI18.5以下の痩せ型の若年女性と定義していますが、この痩せ型の若年女性よりも標準体重女性の方が血糖値をコントロールするインスリンというホルモンの働きが正常であることや本来はおこりづらい脂肪組織の分解など、代謝的肥満状態であったと報告しています。
痩せ型肥満の原因は糖質制限ダイエットかも
痩せ型肥満になってしまいやすい状態や原因を考えると、論文にもあるように糖質からのエネルギーの摂取割合が低い一方で、脂質からの摂取割合が高いということです。
痩せ型肥満は筋肉量が少ない状態を示しますので、筋肉量が通常よりも少ない原因として、運動習慣がない方には当然起こりえます。
人生で一度も運動したことがないという人は、なりやすいのは間違いないと思います。
また最近流行りの糖質制限ダイエットも影響しているかもしれません。
「若い頃は、太ってもちょっと食事を減らしたらすぐ体型を戻せたのに、歳をとってから全然うまくいかなくなった」
このセリフはよく耳にします。
歳を重ねることで痩せにくくなるというのは傾向的に当然で、加齢とともに筋肉は落ちていきす。
それに伴い、代謝も落ちますから、昔のように上手くいかないのは当然だともいえます。
そして、筋肉を落とし代謝も落とすリスクが高いのが糖質制限ダイエットとなるわけです。体重を落としながら筋肉をつけるというのは、簡単ではありません。
体重を落としても、脂肪も落ちますが筋肉も落ちます。
正しい知識をつけて、体型を維持しながらも続けられる食事、そして運動習慣を少しづつでもつけていくことが本当のダイエットになると思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事の執筆
上村 建斗(かみむら けんと)
パーソナルトレーナー養成の専門学校卒業後、都内のパーソナルスタジオ激戦区と言われる恵比寿にて某有名タレント経営のパーソナルスタジオに勤務。一般の方からご年配の方、モデルやアスリートといった、幅広いジャンルのパーソナルトレーニングを経験。年間およそ1,200本以上のパーソナルセッションを担当していく中で、ダイエットやスタイル向上だけでなく、身体の機能的な動きにフォーカスし、見た目だけではない機能面を兼ねそなえた身体づくりに特化。また、それらに効果的なピラティスやマスターストレッチなど、多くのメソッドを取得。その後、約2年半、新潟市の某ジムより独立し現在に至る。