パーソナルトレーナー養成の専門学校卒業後、東京・恵比寿のパーソナルスタジオに勤務。一般の方からご年配の方、モデルやアスリートまで、年間およそ1,200本以上のパーソナルセッションを担当。
ダイエットやスタイル向上だけでなく、身体の機能的な動きにフォーカスした身体づくりに特化し、ピラティスやマスターストレッチなど多くのメソッドを習得。新潟市のジム勤務を経て独立し、the REFORMERを開業。
2023-2024 デフ(聴覚障害)日本代表スノーボードフリースタイルチーム専属トレーナー。
資格:ピラティスリフォーマー・タワー・チェア(Motor Learning)、マットピラティス(Body Element System)、健康運動実践指導者、栄養コンシェルジュ二つ星、日本コアコンディショニング協会ベーシックインストラクター ほか
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【新潟市】眠れない・日中眠いの原因と対策|研究データでわかる睡眠改善のコツ
こんにちは。
姿勢改善専門スタジオ the REFORMERです。
「布団に入ってもなかなか寝付けない」「日中に眠くなる」「朝スッキリ起きられない」
そんな睡眠の悩みについて、原因と今日からできる対策を、厚生労働省のガイドと研究データをもとにまとめました。

まず知っておきたい「良い睡眠」の目安

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6時間以上を目安に睡眠時間を確保すること、そして朝起きたときの「休まった感覚(睡眠休養感)」を大切にすることがすすめられています[1]。
日中の強い眠気や、週末の寝だめは、慢性的な睡眠不足のサインとされています[1]。
ところが、厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査」では、1日の平均睡眠時間が6時間未満の人は男性37.5%、女性40.6%でした。男性の30〜50歳代、女性の40〜50歳代では4割を超えています[2]。
眠っている間に身体と脳で起きていること

睡眠は「ただ休んでいる時間」ではありません。眠っている間にしかできない仕事がいくつもあります。
- 成長ホルモンの分泌:眠り始めの深い眠りに合わせて、成長ホルモンが多く分泌されます。寝る時刻が遅れると、分泌のピークも遅れることがわかっています[3]。「22時〜2時がゴールデンタイム」と言われることがありますが、大切なのは時刻よりも寝入りの深い眠りです。
- 記憶の整理:睡眠には、日中に覚えたことを整理して定着させる働きがあることが、多くの研究で示されています[4]。
- 脳の老廃物の排出:マウスの研究では、眠っている間は脳の中の老廃物を洗い流す流れが、起きているときより活発になることが報告されています[5]。
睡眠不足が続くと起きること
頭の働きが、本人が気づかないうちに落ちる

睡眠を1日6時間に制限した生活を2週間続けた実験では、注意力や作業の成績が日ごとに下がり、最終的には2晩徹夜したときと同じくらいまで低下しました。しかも本人の「眠い」という感覚はあまり強くならず、能力の低下に気づきにくいことも示されています[6]。
また別の研究では、17〜19時間起き続けた状態での作業成績は、血中アルコール濃度0.05%のときと同じか、それより悪いという結果でした[7]。
食欲が増え、太りやすくなる

睡眠時間を4時間に減らした2日間の実験では、食欲を抑えるホルモン(レプチン)が18%減り、食欲を高めるホルモン(グレリン)が28%増え、空腹感が24%、特に甘い物・炭水化物の多い高カロリーな食べ物への欲求が33〜45%高まりました[8]。
ダイエットがうまくいかないときは、食事や運動の前に睡眠を見直すことも大切です。
寝付けない6つの原因と対策

① 寝る前のスマホ・明るい光

寝る前に光を発する電子書籍端末で読書をした実験では、紙の本と比べて寝付くまでの時間が長くなり、眠りを促すホルモン(メラトニン)の分泌が減り、翌朝の目覚めも悪くなりました[9]。
厚生労働省も、寝る前や寝床でのパソコン・ゲーム・スマホの使用は避けるようすすめています[1]。
② 起きる時刻がバラバラ・日中の光が足りない

休日の夜ふかしや朝寝坊で起きる時刻がずれると、体内時計が乱れます。厚生労働省は、規則正しい起床時刻を心がけ、寝室はなるべく暗く心地よい温度にすることをすすめています[1]。
また、電灯のない環境で1週間キャンプをして自然の光だけで過ごした研究では、体内時計が早まり、日の入りの頃に「体の夜」が始まるように整いました。普段の生活では、日中に浴びる日光が少なく、夜に浴びる光が多いことが、体内時計を遅らせていると考えられています[10]。
朝起きたらカーテンを開けて光を入れる、日中はなるべく外の光を浴びることを意識してみましょう。
③ 緊張が抜けていない

ストレスが高いまま寝床に入ると、睡眠休養感が下がるとされています[1]。
呼吸を1分間に10回未満までゆっくりにする方法を調べた研究のまとめでは、リラックスに関わる副交感神経の働きが高まり、不安感などがやわらぐことが報告されています[11]。寝る前は、スマホの代わりにゆっくりした呼吸を取り入れてみましょう。
④ 手足が冷えている

寝る1〜2時間前に40〜42.5℃のお湯に10分ほど浸かると、寝付くまでの時間が短くなることが、17件の研究をまとめた分析で示されています。手足から熱が逃げやすくなり、体の深部の温度が下がることで眠りに入りやすくなると考えられています[12]。
また、少人数の実験ですが、寝るときに靴下で足を温めると、寝付くまでの時間が平均7.5分短く、睡眠時間が平均32分長くなったという報告もあります[13]。
⑤ 夕方以降のカフェイン
カフェインには、眠気のもとになる脳内の物質(アデノシン)の働きを妨げる作用があります。
カフェイン400mg(コーヒー約4杯分にあたる量)を、寝る直前・3時間前・6時間前にとった場合を比べた研究では、寝る6時間前にとった場合でも眠りが妨げられました。研究者は、寝る6時間前からはカフェインを控えることをすすめています[14]。
厚生労働省も、夕方以降のカフェインを眠りを妨げる習慣として挙げています[1]。
⑥ 寝酒の習慣

お酒を飲むと寝付きは早くなりますが、夜の後半の眠りが妨げられやすくなることが、研究のまとめで報告されています[15]。
厚生労働省も、寝酒の習慣はかえって眠りを悪化させるとし、夕方以降のカフェイン・飲酒・喫煙を控えるようすすめています[1]。
眠りを支える食事
タンパク質を毎食とる

眠りを促すホルモン「メラトニン」は、タンパク質に含まれる必須アミノ酸「トリプトファン」から、セロトニンを経て体内で作られます[16]。トリプトファンは体内で作れないため、食事からとる必要があります。
減量中の成人を対象にした研究では、タンパク質を多めにとったグループの方が、睡眠の質の評価が良くなりました[17]。
肉・魚・卵・大豆製品を、毎食手のひら1枚分を目安にとりましょう。
マグネシウムは「期待はあるが、まだ確かではない」

マグネシウムは睡眠によいと言われることが多い栄養素です。高齢者を対象にした3つの試験をまとめた分析では、マグネシウムのサプリメントで寝付くまでの時間が平均約17分短くなりました。ただし、研究の数が少なく質も低いため、現時点では「確かな効果がある」とまでは言えないと結論づけられています[18]。
まずは海藻・大豆製品・ナッツ・玄米などの食品からとるのがおすすめです。サプリメントを使う場合は表示の量を守り、腎臓の病気がある方は医師に相談しましょう。
日中の眠気には「短い昼寝」
睡眠時間を短くした翌日の午後に、5分・10分・20分・30分の昼寝を比べた研究では、10分の昼寝が最も効果的でした。眠気・疲労感・作業の成績がすぐに改善し、その効果は最大155分続きました。一方、30分の昼寝では、起きた直後にかえって頭がぼんやりする時間がありました[19]。
昼寝は短めにがポイントです。厚生労働省も、高齢の方には夜の眠りを妨げないよう、長い昼寝を避けて日中は活動的に過ごすことをすすめています[20]。
日中に身体を動かすことも大切

厚生労働省のガイドでは、日中に積極的に身体を動かし、夜は暗く静かな環境で休むといった「寝て起きてのメリハリ」が、睡眠休養感を高めることに役立つとされています[1]。
66件の研究をまとめた分析でも、定期的な運動は、寝付きや睡眠の質を改善することが示されています[21]。
ピラティスと睡眠
ピラティスの効果を調べた6つの試験(477人)をまとめた分析では、運動をしないグループと比べて、睡眠の質の評価が改善していました。一方で、40歳以上の健康な人や閉経後の女性だけで見ると、はっきりした差は出ておらず、今後さらに大規模な研究が必要とされています[22]。
寝る前には、こわばりやすい背中をゆるめるストレッチもおすすめです。
ザリフォーマーでは、ピラティスで身体の緊張をゆるめ、筋力トレーニングと有酸素運動で日中の活動量を高めることで、メリハリのある生活リズムづくりをサポートしています。
眠れない状態が続くときは医療機関へ
生活習慣や睡眠環境を見直しても眠りの悩みが続く場合は、不眠症や睡眠時無呼吸症候群などの病気が隠れていることもあります。早めに医療機関に相談しましょう[1]。
※研究結果は集団としての傾向であり、効果には個人差があります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献
- 厚生労働省「Good Sleepガイド(ぐっすりガイド)成人版」(健康づくりのための睡眠ガイド2023) 厚生労働省
- 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」 厚生労働省
- Takahashi Y, Kipnis DM, Daughaday WH. Growth hormone secretion during sleep. J Clin Invest. 1968;47(9):2079-2090. PubMed
- Rasch B, Born J. About sleep’s role in memory. Physiol Rev. 2013;93(2):681-766. PubMed
- Xie L, et al. Sleep drives metabolite clearance from the adult brain. Science. 2013;342(6156):373-377. PubMed
- Van Dongen HP, et al. The cumulative cost of additional wakefulness: dose-response effects on neurobehavioral functions and sleep physiology from chronic sleep restriction and total sleep deprivation. Sleep. 2003;26(2):117-126. PubMed
- Williamson AM, Feyer AM. Moderate sleep deprivation produces impairments in cognitive and motor performance equivalent to legally prescribed levels of alcohol intoxication. Occup Environ Med. 2000;57(10):649-655. PubMed
- Spiegel K, et al. Sleep curtailment in healthy young men is associated with decreased leptin levels, elevated ghrelin levels, and increased hunger and appetite. Ann Intern Med. 2004;141(11):846-850. PubMed
- Chang AM, et al. Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep, circadian timing, and next-morning alertness. Proc Natl Acad Sci U S A. 2015;112(4):1232-1237. PubMed
- Wright KP Jr, et al. Entrainment of the human circadian clock to the natural light-dark cycle. Curr Biol. 2013;23(16):1554-1558. PubMed
- Zaccaro A, et al. How Breath-Control Can Change Your Life: A Systematic Review on Psycho-Physiological Correlates of Slow Breathing. Front Hum Neurosci. 2018;12:353. PubMed
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- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド」リーフレット 厚生労働省
- Kredlow MA, et al. The effects of physical activity on sleep: a meta-analytic review. J Behav Med. 2015;38(3):427-449. PubMed
- Chen Z, et al. Effect of Pilates on Sleep Quality: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials. Front Neurol. 2020;11:158. PubMed
この記事の執筆
上村 建斗(かみむら けんと) 代表トレーナー


